不穏な空を水平に

最終更新: 2017/08/22

周期というものがあるらしい。楽しいばかりじゃいられない、という何か古い歌謡曲のようなことを思う。要するにちょっともやついた暗い気分。しかしバンジージャンプをやったことがあるか否かみたいな感じで、落ちる感覚を知っている、から、二度目三度目とどんどん上手になるに決まっている。で、今回は何百度目かの落下で、そうなるともはや半笑いで、自分の中では冗談の感すらある、というのはだいぶん嘘が混じっている。毎回毎回飽きもせず、大真面目に落ちてしまう。

良いことがあるから良くないことがある、死ぬからこそ生きられる。僕はそう考える。その理屈で今の気分を無理矢理にでもポジティブに解釈するなら、10日あまり後に迫った個展でとんでもなく嬉しいことでもあるんじゃないか、と捕らぬ狸の皮算用。

でも考えようによっては、皮算用をしたいつかの人は、今でいう夢を持って目をキラキラさせているような若者だったんじゃないだろうか。そのときの夢は狸の皮の枚数で、今はメディアへの露出数であり諭吉の枚数だったり。そして次世代は、何を数えて生きるんだろう。少なくとも、今とは違う何かであってほしい……て、なんで?

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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