不安を餌に

最終更新: 2017/08/22

画像は母が送ってくれた4Lボトルのイモ焼酎。これが4本送られてきた(イモ×2、麦×2)。合計で12L。母は僕をアル中にしたいのか、食料は送らないくせいに酒だけは気前よく送ってくれる。そんな母曰く「食べ物の好みはわからんけど酒ならわかる」らしい。まったく、「は?」という感じである。

それでまあ早速飲んでみる。僕は酒好きには違いないので。

近頃は甲類ばかり飲んでいたせいか、乙類の芋焼酎がやたらとうまく感じる。なんていうか、まろやか? 大地の味、自然の恵み? 味覚音痴だから自信はないけれど、すごくうまいなあ、と思いながら杯(コップ)を重ねて一人酔っ払う。

それから酩酊した頭で4Lボトルは一体どのくらいの期間で無くなるのだろうと考えてみる。一週間に1Lも飲むだろうか?一人では、まさかそれほどは飲まない。一応、アル中ではないので。

となると、まあ、早く見積もっても2週間くらいだろうか。となると、一本を消費するのに2ヶ月ばかりかかり、×4であるから8ヶ月は持つということになる……そんな計算をして、少し豊かな気分になる。貯金が最たるものだろうけれど、蓄えはヒトを安心させてくれるものなのだなあと、金ではなく酒で思う、25の冬。

そうそう、来月は僕の誕生日だ。3月29日という、滑り込みセーフのような誕生日。
語呂合わせは「醜い」日で、そう説明すると、大抵のヒトは失笑して、僕ははにかんで赤面する。

ついでに免許の更新をしてください、という通知が来てたりして、もはやバイクも何もないし、更新なんて面倒くさいだけだなあと思う。まさかペーパードライバーになるとは夢にも思っていなかった、福岡在住の五年間。

東京に住んでいたあの頃、という日がくるのだろうか。そしてその時、僕はどこにいて、どんな気持ちで東京の空を懐かしむのだろう。でも、そんな日は必ず来るのだろうと漠然と思う。今はうまく想像できないけれど。

同様に若さを懐かしむ日もきっと来る。それは、少し恐ろしい気がする。かの楊貴妃が、若さを保つ為に若い女を集めて殺しては生き血を浴びたりすすったりしていたという話も、老いの恐怖の前では至極自然なことのようにも思われる。

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新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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