下北沢駅ホームから見えるAKIRA
2017/08/22
っぽい造形のパイプというかホースというかコード。真っ黒で、やたらと存在感があって、重厚で、それでいて柔らかにしなっていてただただそこにぼてぼてっどろどろっと横たわっている。
いつも、素面の眼でも酔っ払った眼で見てもかっこいいなあと思う、というか他の駅にはないのに何故にあの駅にだけあんなにパイプラインが露出しているんだろうか。
2日間も読み終わった文庫本をカバンに入れ続けていて、帰宅した時に他の本に入れ替え忘れたことが、けっこう、悔やまれる。
しかし今日は珍しく眠くもなく元気で、たまにはと、いわゆる車窓からの風景を眺めていた。
で、気づかされる。普段どんだけ風景を、周りを見ていないんだろう。見てるものといえば、そう、たとえばこの携帯のディスプレイとか、本とか。
なんでこんなに風景を見なくなったかな、と思う。また幼少期の話で恐縮だけどその頃の記憶はけっこうバリエーション豊かにその時々の風景と分かちがたく結びついている。
で、ありきたりな考え方で、たとえば十年後の僕は今の頃をどんなふうに思いだすんだろう、なんて考えるんだけど、たぶん正解は十年後の僕はさらにまた十年後の僕を想像してちょっとニヒルに感じ入っちゃったりしてるんだと思う。それでたぶん、その十年後も、そのまた十年後も。
僕は、僕は、未来の僕は、未来は、その時の僕は、って、あーあ。やめて。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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