クリスマスの経済効果

  2017/08/22

つまり、どこにも行きたくない-F1000827.jpg

早速やる気を出しまして5時に目覚ましをセット、否、まどろんでしまい起床は6時。
自画像、いつもうまく鼻が描けない。いや今日は全部うまく描けなかった。おれの眼と手のぼけなすー、と思いながら日付を書き入れたら、ああ明日はクリスマスかあ、と思った。
別に予定もなく、それで恋人とリッチでスィートなクリスマスナイトフォーエバー&ヤング、なんてことはまったくなく、十中八九はいつも通りの朝と昼と夜、つまり1日平常通り。
まあそれはいいとして、みんなのクリスマスを軽く想像する。やはりクリスマスは子供のものだと思う。年頃の、大人のクリスマスはなんだか気持ち悪くていけない、いやもちろんそれはそれで素敵なのかもしれないが、クリスマスの朝にホクホク顔で嬉々としてストーブの前でプレゼントの包み紙をびっりびりに破り捨てる、中から出てきたものに狂喜する。やはりクリスマスのイメージはこれが一番ではないか、少なくとも僕としては、だが。
クリスマスはホテルが埋まるという。僕は一応年頃だがその行動がいまいち理解できない。リッチなホテルの一室でシャンパンにディナーにと運んでもらってプレゼントを渡し渡され寝て寝られ……ああ、まあ好きにすればいいな。
で、クリスマスの経済効果。みんな金使ってるか?
経済学なんてよく知らないけど、漠然とみんながしっかり金を使わなきゃなんにも始まらないとは思う。
昨日、駅でゴミ箱に手を突っ込んで雑誌や新聞を集めている浮浪者風の男を見た。まあこれ自体は珍しくもない。
それを見てぼうっと考えた。みんな雑誌や新聞を読んで情報を得たら躊躇なく捨てる。だったらもったいないから読みたい人に渡してあげればいいのにな、なんて。
そういう発想はたぶん小学生くらいの時分であればリサイクルとかモノを大事にする気持ちとかいうことで誉められたかもしれない。
しかしこの社会を考えると、そんなことされたら労働者の首がいくつ飛ぶのか会社がいくつ潰れるのかという話になる。一冊や一部をたとえば百人や千人で読まれたら困るのだ。
出版社新聞社はそれを売って利益を得ているのだし浮浪者風は浮浪者風で捨てられた雑誌を露天で売ることで小金を稼いで生きている。
なんだろうな。モノを大事にする、とかいう美徳も時によっては悪風にさえなるし、質素倹約つまり節約という日本人の代表的な美徳も、時によっては邪魔以外の何者でもなかったりするんだろう。
財布のひもをしめることは巡りめぐって自分の首を絞めていることになっているんだろうなと思うけど、その巡りめぐってがよくわからないからやっぱりとりあえずは財布のひも締めて首締めて、ということでしばらくは続くんだろう、なんて、まったく部外者な感じで思う。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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