あの煙とぼく

  2017/08/22

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結婚について、を書けと、とある人に言われたのでしぶしぶ書くことにする。
だいたい結婚についてなんて、書いてもしょうがないと思うのだ。結婚は言葉ではない。結婚はむしろ感覚なのである。
と、大きく出てしまったが、今ぼくは若干酔っ払っているので、あまりいいことが書ける気がしない。
ああ、結婚について、結婚について。
ちなみに僕は結婚がしたい、と思っている。よく「結婚なんかするわけがない」なんて、僕はうそぶくんだけど、結婚はしたい。しかし結婚して、どうするの?
僕は、僕個人としては、お父さんと同じことをしたいと思っている。寸分違わず自分の父親と同じことを、自分の子供にしてやりたい。あ、いま気付いた。僕の結婚は妻主体ではなく、子供が主体なのだと。
毎日、少なくとも7時には家に帰っていたい。一緒に晩ご飯を食べたいのだ。土曜日曜には子供と山登りとか、ワゴン車で旅行に出掛けたい。そこは妻抜きで、子供の寝顔を眺めながら車の中で眠りたい。コンビニで好きなだけ弁当を買ってあげたい。どうでもいいけど、山の頂上では、ウンコをしてほしい。そして彼の日記には、「この子は山登りに行くといつもウンコをするんですよ」と勝手に書き添えておきたい。
なぜだろう。人と同じことをするのがかなり嫌いなのに、そこだけは、まったく同じことをしたいと思ってしまう。まあ要するに、僕がきちんと、しっかり幸せだったから、自分の子供にも同じことをしたいのだと思う。同じことができなかったとしたら、僕はきっと、自分を不甲斐ないと、罪の意識すらも感じてしまうことだろう。
僕は、僕の父親のようになりたい。
職業とかそういうことではなく、父親が作り上げたような家庭を、僕は作りたい。
それは絵画で言うところの模写かもしれない。
しかし僕は人と違うことを好む傾向があり、また模写は苦手なことこの上ないので、やっぱり僕は僕の、僕なりの家庭を作るのだろう。つーか、おめえ結婚すんの? できんの? 
自問自答は続く。
父親の葬式くらいはサラッとやれるようにならないと。白骨死体で発見。「葬式の費用がなかった」とかじゃあ、僕も父も、だれも浮かばれない、とは思う。が、いまはそうなる確率がやたらと高い気がする。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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