都落ちて広島にゆく

  2017/08/22

つまり、どこにも行きたくない-DVC00004.jpg

連休だってんで広島に帰った。といっても別に連休は全然関係なくてイトコの結婚式があるから仕方なーく帰ってきたのである。
実家に帰ろうとするたびに思う。あ~実家楽しみ~、すごく円満な家庭なんだよな~、とか、けっこうウキウキしながら帰る。わけなのだが、毎回、ああ、そうでもなかった、けっこうギクシャクしてました、人が集まって暮らすのって難しいもんだ、やっぱ一人暮らしってつくづく気楽で楽しいもんなんだなあ、なんてことを思い、2、3日も過ごせばお腹いっぱいになって逃げ出すように一人暮らしの日々に舞い戻るのである。
なのにまた数ヶ月経つといいとこばっかり思い出して実家楽しみ~、とか思う自分がいる。
ふるさとは、遠くにありて、想うもの。とかいうことなんだろうか。わからない。
幸せだとか、不幸せだとか、楽しいとか、楽しくないとか。生まれてきたからには死なねばならない。だからこそけっこう毎日真剣に悩んでたりする。もしも命が永遠だったとしたら、すべてのことを「明日でいいや~」で過ごして、百年生きても鼻水垂らしてぼけーっと突っ立ってるだけかもしれない。でも現実には死んじゃうから急がねばならない。
ただいまを言おうと婆さん(祖母)の部屋に行くと、相変わらず仏壇に向かって熱心に念仏を唱えていた。ぼくが子供の時分から、一日も欠かさず朝晩念仏を唱えている、それはそれはもう信心深いババ……じゃなく御祖母様なのである。
だからまあ、少なくとも27年はその念仏を唱えまくっているわけなのだが、その祈りは一体なんになったのだろう。まあ、平穏無事に今日まであるということ自体が、実は念仏のおかげなのかもしれない。
仮に婆さんが日々念仏を唱えていなかったら、もしかすると新宅家は一家離散など悲惨なことになってしまっていたのかもしれない。とかいうと「そんなわけないでしょ~」という感じなのだが、そこが祈りの、もっと言えば宗教の不思議なところで、効果があると思えばあるのだし、無いと言えば無いのである。
我思う故に我あり、とかなんとかかんとか。
なんか色々考えちゃって、おれ、気楽に生きてるっぽいけど悩みだってあるし、なんか眠れないんです。
今日、広島駅に着いて、思った。ああそうだった、おれは東京に出て来てるんだよなあって(正確には神奈川だけど便宜上トーキョーだと言わせてくれ。かっこつかないから)。
自分の意志で東京に出てきたんだよなあって。決してなんとなくじゃなく、それはけっこうな意志だよなあと、まあ勝手に浸っただけやけど。
広島では電話を切るときに「ほいじゃあの」と言う。久しぶりに広島弁を聞いた。
ほいじゃあ寝よう。じゃが寝れんのんよ。ぶちはがええ。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在広島在住の現代美術家/WEBデザイナー(WEBデザイン個人事業: SHINTAKU。) 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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