美学を問え(糖質制限ダイエットブームによる、飲食店でのライス残しに物申す)

  2017/08/22

飲食店でライス残しが頻発しているという。糖質制限ダイエットに励む者が、平然と残していくそうである。

呆れるどころか笑ってしまう。もちろん、現在の美的基準を追い求めるのは、かつて流行を越えて病的であったコルセットに見るように、いつの時代も変わらない。

しかし、そもそもダイエットに励む彼ら彼女らの主目的は、〈モテる〉ことではないのか。だとしたら、ダイエットの成否に関わらずすでに結果は見えている。

せっかく出されたご飯を盛大に残す人間を、誰が素敵だと思うか。まともな人間ならば、誰しもが不快に思うこと、ダイエットの効果よりも明らかである。

りんごダイエット、低インシュリンダイエット、グレープフルーツダイエット、食べる順番ダイエット――こうして並べてみるだけで眉つばな数々のダイエットが現れては消えた。これからもまた、現れては消えるだろう。

不思議なのは、これほどダイエット法が考案されながら、一向にダイエット人口が減らないことである。本当に効果があったのならば、ひとり抜けふたり抜け、少なくとも漸減しなければおかしい。それともダイエット自体がおしゃれなファッションか。

要するに、どれもこれも効果はないのである。あったとしても、一時的なものに過ぎないのである。だいたい、米や麺といった炭水化物を抜くとは、人類の歴史の全否定だと言っても過言ではない。いっそ人間をやめるつもりか。

その気概があるのなら、どうぞ新人類の一歩を踏み出し、子に孫にその食生活を伝えて遺伝子の変化を期するがいい。しかしそうでないなら、わけのわからぬダイエットに浮かされる前に、まずはあなたの美学を問いなおせと言いたい。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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