空とネオン

  2017/08/22

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今日、ノゾキをしてしまった。
電車内で前の人がやってたニンテンドーDSを。
やってたゲームはファイナルファンタジーシリーズの何かに違いなかった。他に見るべきものもなかったので、しばらくノゾイてた。いやはや、すいません。
戦闘シーンになって、キャラクターの名前が表示された。一番上に“ムネノリ”とあって、ああ、彼はムネノリ君か、と、曖昧な個人情報を入手してしまう。と同時に、主人公に自分の名前をつける気持ち、わかるなあ、とひとり共感してしまう。
共感とかどうでもいいけノゾクな! というのがムネノリ君の気持ちではあるのだろうが、残念ながらムネノリは僕の名前も知らないから話しかけることができないに違いない。言っておくが、僕は「あのぉ」や「ねえねえ」じゃ振り向かない。ちゃんと名前で呼ぶように。
そんなことはどうでもいいんだけど、とにかくはそうこうしている内に広島空港に着いた。
小一時間前に、羽田から飛び上がったとき、窓から無数の街の灯が、いわゆるネオンが見えた。そうだ、夜に飛行機に乗るのは初めてなのだった。
無数のネオンは街の形に沿って、四角や、波打つウェーブとなって、僕の目にやけに純粋な光り方で広がっていた。
夜景なんぞには昔から興味がなく、およそ風流なんて言葉とはかけ離れた生活を送っている僕ではあるが、柄にもなく、綺麗だなあ、なんて思ってしまったじゃないか!

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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