普通を作った人

  2017/08/22

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コロンブスの卵の話は、ある意味ケンカ売ってるような話だと思う。
この橋わたるべからずで真ん中を渡った一休さんも、ある意味、というか人によっては逆鱗に触れ死刑なんだと思う。
でまあ昨日、二時間並んで見てきました。シャネルモバイルアート。
期待しすぎたのか、それほどの衝撃も感動も勉強になるなあ、という気もしなかった。もちろんそれは僕の感性が腐っているから、かもしれないのではあるが。
強く弱く降り続く雨の中2時間、少なくともそこまでして見るもんじゃあない気がした。一応は芸術に関わってる僕がそうなんだから、美術館は小学生の時に社会見学かなんかで行ったきりで、普段なんかしら並ぶとしたらラーメン屋、くらいの人がじっと並ぶものではないし、その必要も価値もない気がする、した。
入場料がタダだから並んでる、というならうなずこう。しかしああまでして見たいと思うほどアートに興味があるやつなんてほぼ居ないような気がする。シャネルというブランドが後押ししてんのかとも思えるけれど、列の中にシャネルずくめの人はもちろん、バッグや服を身につけている人は皆無に等しかった。それでまた、首をひねらざるを得なかった。
まあシャネルとしては商業にアートをくっつけて相乗効果でブランド価値を高められて大成功なんだろう、な。たぶん。
それはまあいいとして作品だ、ってなんだか今日は評論家じみてて腹立つ口調だけど我慢してくださいまし。
視聴者参加型って気もしたけど、あれは参加型とは違うように思う。参加とはなんらかの影響を及ぼすこと、もしくは影響を及ぼせる可能性があることだろう。あれは言うなら視聴者参加型のクイズ番組を視聴するという立場に近い。
その証拠に何百万人があの会場を、作品を鑑賞しても作品たちは微動だにしない。何も変わらない。僕らはいつまでも見ているだけだ。
だからって悪かったってわけでもなく、今後の参考には一応なるだろうけど、二時間も並んだしなあ、もうちょっと何かがほしかった。
何か、ロールブレイングゲームに似ていた。普段まったくアートなんて知らねえよってやつの感想が聞きたい。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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