幸福な無知

  2017/08/22

今年はじめての白い息。あー冬か、と当たり前すぎる感慨。単純計算25回目の冬。

夏か冬、極端な気温の時期によく考えていた。そして考えては、足元の抜けるような感覚を覚えて空恐ろしいような気持ちになっていた。
それは一生の内にその季節を味わえる回数のこと。奇跡的に多くてもたかだか100回。
たった?たったそれだけ?と馬鹿馬鹿しい焦りを感じながら何度か数え直してみるのだけれど、あまりにも易しすぎる計算は間違えようもない。

まあ何を考えても何をしていても万人の上を時間は等しく過ぎ去ってゆく。即ち過去が増えて未来が減ってゆく。

そう考えると人生は底の抜けた円錐形で、過去を振り返るとその時間が、やたらと大きくぼっかりと、光輝き偉大だったように感じてしまうのも無理はないんだろう。
逆に未来はいつ見ても暗い行き止まりで、さらには背後で光る過去に照らされて、歳を重ねるほどに長く伸びる自分の影が、その先の闇をいっそう濃くする。

だからなんなんだバカ。

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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