小さき者へのしかかる悩み
2017/08/22
そわそわするのはやはり金曜日だからだろうか。とりあえずはなんかちょっとだけいいものを食べにいこう、なんて考えている。ビールが飲みたく焼酎が飲みたく話したく笑いたく酔いたく新宅。
くだらないダジャレをよく思いつく。口にするとたいていは失笑される。
というようなことを昨日書いて、そのまま放置していた。
昨日の夜ご飯は食べ過ぎだった。らーめんはうす、という店に一人で行って、野菜いためとライスとビールを注文。その店の料理のボリュームは半端ない。パッと見、どの料理も大皿ファミリーサイズだ。実際、ファミリーでその一皿を食べたとしてもそれほど不満は出ないのではないかというような量である。
それを、苦手なスタイルではあるが、店内にいるたいがいの人は漫画片手にごはんを食べているので僕もそうした。しかし2つのことを同時にこなすのが苦手な僕は、ただ漫画を傍らに置いているだけのような状態だった。じきに満腹を通り越して苦しくなった。が、店員がちょっとかわいかったので、ここは男の器ばアピールしとかんとと、米粒ひとつ残さず平らげた。ごちそうさまでした、とリアルなゲップを混じらせながら店を出た。ロマンには空腹ぐらいが似合うらしい。
右上方を見上げた。去年、半年ほど住んでいたマンションの三階の一室を見た。電気はついていなかったがカーテンはかかっているようだった。誰かしら入居したのだろう。
重い腹には馬鹿笑いが似合い感傷は似合わないのだが、僕はちょっとばかしあまずっぱい思い出にひたりながら歩き出した。あの時の僕はなんだったんだろう。歩くほどに腹が楽になっていった。胸は思い出で少し詰まっていった。
去年の今日、僕は何をしていただろう。確か日記を付けていたはずだ。調べようかと思ったけどめんどくさいのでやめた。ただ、漠然とある「変わった」という感覚だけで、今は十分な気がする。たぶん、来年も同じことを思うんだろう。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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