この全体の中では眠りと同じ
2017/08/22
もう春ですね。今から夏を想像してうんざりしてしまいます。と同時に去年の夏は何をしていたっけと思い出し、色々細かく思い出し、大晦日や正月よりもよほど感慨深くこの一年もいろいろあったなあ、と目を細めて閉じてうなってしまいます。僕は、成長したんだろうか。とりあえず、人生はまた一歩終わりに近づいた、とワザとらしく考えてみる。危機感の捏造。
しかしガソリンがまた高くなるみたいですね。バイクも車も無いから実感は乏しいけど、なんておめでたい=穏和な国なんだろう。穏和を通り越して馬鹿だとも思う。現在の国政がどうこうとか論じる土俵じゃなく、単純にクソったれだな、と思う。
次の展覧会の話をしてた時、価格で遊んでみようかとおれが提案すると、樋口はそれはどうかと思う、昨日一万円だったものを、今日一万二千円で買う気にはならんやろ、おれなら買わん、というようなことを言っていた、そして僕も一応はその意見にうなづいた、しかし今まさにそういう状況が国単位で発生している、にもかかわらず、誰一人文句を言わない、世間話単位ではない、ちゃんと断固とした反対表明として、線路上に延々置き石をして抗議としたり、国会に大挙して押しかけて福田の顔をみんなで舐め回す、というような力強い反対を起こす者は居ない、皆無、黙って呑み込むだけ、だけ、これは驚くべき事態だと思う。
自分ひとりが何か言っても、やっても、どうなるもんでもない、という投票に似た意識、民主主義。
と言いつつ、突き詰めるとよくわからんから僕は絵を描いてこの辺がどばーっと、あの辺でズバババーッと、なんて太郎気取りでごまかしたいんだけれど、なんとなく、民主主義は熟し過ぎて、腐り始めてるのではなかろーか。戦争しないと平和がわからないように、あるサイクルで民主主義から共産主義、共産主義から民主主義と、固定せずにアクティブに回して行かないと、だめなんじゃないだろうか。だって人間てそもそも忘れっぽくて飽きっぽい。
注:僕は右でも左でもなくなんでもなく自称アーチストです。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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