ほぼエッセイ、ときどき現代の美術とアート。

山か谷か平原か

  2018/07/03

昨日より新宅睦仁個展「カップヌードルの滝」 が、東京のHAGISOで始まった。

昨年10月の、高知県にある沢マンギャラリーでの個展「牛丼の滝」から約1年ぶりの展示である。

と言っても、その間に、ワンダーシード、ワンダーウォール、美術食堂、退廃藝術展といろいろあった。間違いなく今までの人生で最高にハイペースで展示が続いている。さらには現時点で、以下の静岡市クリエーター支援センター(CCC)主催のCCC展覧会企画公募 New Creators Competition 2016 の入賞が決まり、来年1月に個展「コンビニ弁当の山」が開催予定となっている。

http://www.c-c-c.or.jp/2015/ncc16_app.html

これは、今年の始めには到底考えられなかった成果であって、我ながら「マジかよ」と思っている。「まさか、冗談だろ?」とも思う。「どんなコネ使ったんだよ?」とさえも、思う。

画家を志して上京して十年ほど経つが、これほどの成果を叩き出せた年はいまだかつてない。むしろ一年に一度でも入選や展示があればいいほうで、とにかくは展示がしたくてしたくてたまらないというのが常であった。それはさながら”展示乞食”であって、「わだすの作品を展示させてくだせー、おねげーしますだー、神様ー仏様ー」という感じであった。いや、まじめな話。

自分は才能があるはずだと信じていたし、それなりに努力もし続けていたが、笑えるくらい鳴かず飛ばずの十年であった。では、今年は何が違うのかというと、別に何も変わらない。相変わらずウンコは長いし、毎朝自画像をテキトーに描いているだけだし、漠然とインテリっぽい人になりたくて本を乱読しているだけである。

いつか、ある人に、「続けることだ!(ビシィッ!)」という感じで言われたことがある。まあ、その人に限らず、続けることの価値を折にふれて耳にしてはいた。だけど、続けることって言われたって、現時点で十分にすばらしい才能を発揮しているんだから、続ける以前にあんたらの目が節穴なんじゃないんですか? ちゃんと評価してくれりゃあほっといたって続けますから、などと忌々しく思っていたものである。

だけど今、こう、いろいろあってみると、今まで曲がりなりにも続けてきたことが(途中2年くらい辞めてたけど)、はっきりとは目に見えないし具体的な数値では示せないんだけれども、確かに何かしらが結実しつつあるのかもしれない。

人生は山あり谷ありだという言葉が身にしみる。特にこの5、6年は本当に苦しかった。それで、何の深い思慮もなく、このうだつの上がらない人生をどうにか変えたいというヤケクソで調理師専門学校に行ってみたり、広島に帰ってみたりと、必死にもがいたのであった。そうして人生はわからないもので、それらのすべてが今に繋がっているのである。

もちろん、まだまだ道半ばであって、感慨に浸っている場合ではない。ようやくで、私の人生において、なりたくてなりたくてたまらなかった美術家の道があるかもしれないということが、ぼんやりと見えてきたくらいのものである。

それでも、つい先日まで何も考えられず何も見えなかったことを考えれば、ちょっとめまいがするような視界が広がっている。

とりあえず、今はただそれだけで、身体の底から、胸の奥底から、力が湧き上がってくるようである。って、実に安っぽい表現だが、この世には比喩でもなんでもなく「力が湧き上がってくる」なんていう心持ちがあるのだと、33歳にして初めて知った、今日この頃である。

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