忘れ、思い出し、ごまかし

最終更新: 2017/08/22

どんな重大ごとでも四六時中考えているのは不可能だ。たぶん人間てのはそもそも飽きっぽい。興味の対象はほとんど秒単位で爆転側転不倶戴天。

記憶の断片がとりとめもなく頭の中を漂っている早朝の5時。僕はひとり牛丼をかき込んでいた。シャッターの開かない地下鉄の入り口の階段にひとり腰掛けて、両膝の間に顔をうずめて開くのを待つ。春先とはいえ身震いがするほど寒く、しかし他に良い時間のつぶし方を思いつかなかったし、動くのが面倒だったのでただじっと耐えた。

小一時間ほど前に牛丼を食べたはずだったが、なんとなくレモンパン、なるものを駅構内のちょっとこじゃれたような店で買う。それをちぎりちぎり、口に放り込む。飲み物がなくて口の中がパサついたが、不思議と不快ではなかった。

電車を降りてから、ダイエットコーラを買った。勢いよく喉に流し込んで、朝靄の残る街角でひとりプッハァぁ! とやった。もう若くない、と意識的に思うのが、最近のマイブームみたいだ。

何かしら思った方は、ちょっとひとこと、コメントを! 作者はとても喜びます。

わかりやすく投げ銭で気持ちを表明してみようという方は、天に徳を積めます!

新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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