レントゲン芸術倉庫ツアー
2017/08/22
一昨日は那須にある芸術倉庫に行った。日帰りバスツアーである。
なのに画像は帰り道でお土産に買ったさしみこんにゃくの、しかも、空き箱。
肝心の中身はと言えば、さしみこんにゃくもバカにできんにゃ~という旨さだったのだが、そのあとなんとなーくその箱を適当に切ってみた。いわゆる図画工作的に。
切り刻んでいるうちになんだかおもしろくなってきて、また昔はこんなことばっかりしよったのに最近はまったくせんくなったなあと思った。
でも本質を考えたとき、しなくなったのはそういう図画工作というようなことではなく「無駄なこと」だということに気がついた。
昔、といってもまあ僕が子供のころは穴を掘ったり広告の裏に絵を買いたり広告を丸めて吹き矢を作ったり今回のように紙をジョキジョキやったりととにかくはこれでもかというほど無駄な行為の中で遊んでいた。いや遊んでいるという自覚すらなくなんとなくそんなことをやっていた。無目的に、いやそれは無目的ではなく行為それ自体が目的なのであって言うならそれは「ピュアな行為」なのであろう。
それはアウトサイダーアート、またはデュビュッフェが唱えたアールブリュット、つまり生の芸術そのものだったような気がする、とか言ってオッと、さっそく知識をひけらかしてしまう僕、この僕、もはや不純の権化、ピュアなどとつぶやけば口が腐りかねないほどに擦り切れてしまっている、僕、ぼく、打撲。
それが大人になるということなのかもしれない。必要か不必要か、得か損かということを行動原理として生きていく。それが大人なのかもしれない。
ほんとにそうなのかもしれない。だって空き箱を切り始めた時点で僕の頭の片隅には(ブログのネタになりそ)とかいう考えがあり写メを撮ったときにはこの記事はもはや決まりだと思ったりしていた。
なんとなく、たぶんもう二度と、無駄なことってのはできないんだろうと思う。
無駄なことのように見える行為をしながらも、頭の隅には(こういう無駄な行為の中で見えてくるものもあるだろう)なんて、性懲りもなく何かを得ようとしてとめどないのだ。
ピュアって、永遠や0とかと同じものなのかもしれない、な。
広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
ご支援のお願い
もし当ブログになんらかの価値を感じていただけましたら、以下のいずれかの方法でご支援いただけますと幸いです。
Amazonギフト券で支援する
→送信先 info@tomonishintaku.com
ブログ一覧
-
ブログ「むろん、どこにも行きたくない。」
2007年より開始。実体験に基づいたノンフィクション的なエッセイを執筆。アクセス数も途切れず年々微増。不定期更新。
-
英語日記ブログ「Really Diary」
2019年より開始。もともと英語の勉強のために始めたが、今ではすっかり純粋な日記。呆れるほど普通の内容なので、新宅に興味がない人は読んで一切おもしろくない。
-
音声ブログ「まだ、死んでない。」
2020年より開始。ロスのホームレスとのアートプロジェクトでYouTubeに動画をアップしたところ、知人にトークが面白いと言われたことをきっかけにスタート。その後、死ぬまで毎日更新することとし、コンテンツ自体を現代アートとして継続中。
-
読書記録
2011年より開始。過去十年以上、幅広いジャンルの書籍を年間100冊以上読んでおり、読書家であることをアピールするために記録している。各記事は、自分のための備忘録程度の薄い内容。WEB関連の読書は合同会社シンタクのブログで記録中。
- 前の記事
- まあそういうこと
- 次の記事
- やるならやらねば死んじまう
関連記事
料理レシピ:ジャガイモのニョッキグラタンとバニラ風味のババロア
春は終わった。 なぜなら久しぶりに早起きできたのだ3時に。そう、春眠暁を覚えた。 ...
穢れがすすがれる日は遠く(原発から解き放たれた、放射能という科学的あるいは心霊的な災禍)
東北は秋田を訪れた。空港からバスに乗って、山間部にある温泉地へと向かう。四月の半 ...