米軍基地は原発に似る(沖縄・20歳女性遺体事件を受けて)
最終更新: 2017/08/22
先月末から行方不明になっていた20歳の女性が遺体で見つかり、元アメリカ海兵隊員で軍属の男が、死体遺棄の疑いで逮捕された。
これが外国のどこかなら、言い方は悪いが〈ありふれた〉殺人事件で終わっただろう。しかし、それが他でもない〈沖縄〉で起こったとなれば話は別である。
と、書き出してはみたものの、日本の歴史はもとより、沖縄の来歴にも決して明るくない私にあるのは、ごく感覚的な情動でしかない。
それでも、改めて米軍基地の是非が問われることになる、ということくらいはわかる。米軍基地は日本の国益だというが、それは本当か? だとしてもなぜ沖縄に? ――それはどこか原発の是非に似ている。
米軍基地にしろ、原発にしろ、それが人々に恩恵だけをもたらし続けていたのだとすれば、誰も文句など言わなかったはずである。つまり、少なくとも恩恵ばかりではなかった。
しかも、仲良く共生する道を探るにしても、係る事案は私の知る限りでさえ仏の顏の三度はゆうに超えている。確か学校にヘリコプターまで墜落させた。
爆撃に殺人とくれば、あとはもう何が起こっても不思議ではない。近隣に住む者であれば不安を越えて逼迫した恐怖であろう。要は想像力の問題で、いつも遠く離れた東京から論じるから水くさいだけである。
つくづく原発の事故と同じではないか。今さら利得やメリット云々を語られても白けるばかりなのだ。もはや取り返しがつかないのである。
不可能なことを可能だと言うのは、昔から山師だと相場は決まっている。今度もまたほとぼりが冷めるのを待ってなあなあにしてしまうのだとすれば、それこそ山師は味を占めてまた来る。そして居座る。

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。
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