人種のるつぼ シリーズ

人種のるつぼシリーズのコンセプト

近年頻発するテロを論じる際、「民族間の対立」というキーワードを外すことはできない。もはや決まり文句の感もあるが、それでも一定の説得力を持ち続けている。一方で、多民族国家と呼ばれながら安定し、繁栄している国がある。アメリカをはじめ、カナダ、オーストラリア、そしてシンガポールもまたそのひとつである。つまり、民族の違いそれ自体の問題ではなく、対立こそがその問題の本質だと言えるだろう。
本シリーズは、民族間の関係性がテロという暴力として噴出する現代、その共存可能性を問う試みである。さまざまな料理・食材を組み合わせて、一緒くたにして煮る。コーラと寿司、コーンスープとグミなど、そこにルールや制限はない。異なる民族同士の出会いは、常にそのような暴力性と共にあったことは歴史をひもとくまでもない。とにかくはごちゃ混ぜにして煮る、煮詰めるのである。人種のるつぼ(人種のるつぼ)という表現そのままに、個々の民族の文化や価値観を混ぜて、溶かす。しかし、果たしてそれが我々の賞味に耐えうるものであるかどうかはまた別の問題である。
cf. 「るつぼ」とは、物質を溶解・合成させるための耐熱容器。また、「人種のるつぼ」とは、多種多様な人種・民族が混在して暮らしている都市、またはその状態を表す言葉。イギリスの作家イズレイル・ザングウィルの戯曲「坩堝(るつぼ)」からきている。

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