「くたばれ東京藝大」展 概要
1.会期中は作品の人気投票を実施し、評価の低い作品を毎日2点ずつ焼却します。なお、焼却された作品も人気投票の対象とし展示は継続します。
2.人気投票は個展会場または「ART DIS FOR」公式WEBサイト
(http://adf.ifdef.jp)にて受付します。
3.焼却の様子は順次「ART DIS FOR」公式WEBサイトにアップロードします。
4.作品は全て0円(無料)となっております。作品購入をご希望の方は、展示会場にてお申込み下さい。
※希望者多数の場合は抽選とし、当選は作品の発送をもって代えさせて頂きます。また、当個展のコンセプト上、作品の状態につきましては保証致しかねますので、予めご了承頂きますようお願い申し上げます。
個展名について
「くたばれ東京藝大」展は、アカデミックな美術の代名詞は東京藝術大学であるという認識からきている。アカデミックは王道とも言い換えられる。つまり、リスクのない無難な道を進み続けて、いつまでも変わらない時代遅れなものとの決別の表明が「くたばれ東京藝大」という言語表現になったのである。
作品の焼却について
まず、当個展の最初の鑑賞者となるアーティスト自身、つまり樋口と新宅がお互いの作品(各人10点あり、計20点が展示)から最低の作品を1点選び焼却する。そのため、個展初日にはすでに2点の作品が焼却された状態で展示される。その状態から人気投票を行い、下位から数えて2点を、毎日順次焼却していく。個展終了時には20点中16点が焼却されており、4点のみが焼却を免れることとなる。人気の上下により作品を焼却するのは、現代社会において、特にメディアの世界においては、それ自体の純粋な価値よりも、ただ単純に人気のあるものだけが生き残り、ないものはまたたく間に消えていくという、現実世界の縮図の表現になり得るという考えからである。
作品の価格について
芸術作品の価値は絶対的なものではなく、常に相対的なものである。また、アーティスト自身の価値観と鑑賞者の価値観も常に相対的なものである。 衣食住に関するもののように絶対的な尺度が存在しない以上、ある価格を設定し呈示することは、アーティストからの鑑賞者に対する価値観の強要である。もちろんそれは極論ではあるのだが、当個展での0円(無料)という価格設定は、常識からの脱却、つまり「自由」の一つの表現方法であり、ポジティブな実験なのである。
作品の制作について
キャンバスのサイズと、中心に押印された4のスタンプの比率は日本の国旗、日の丸と同一の比率(縦横比2:3の長方形に、縦の長さの5分の3を直径とした円)になっている(作品サイズは50p×75p=2:3、中心の4のスタンプは30p=50pの5分の3の直径)。そのため、絵画を焼却することは疑似的に国旗を燃やすということにもなるのである。また、4のスタンプの幅はすべて4pとなっており、どの部分を切り取っても“4”の数字が抽出できるようになっている。そして、焼却後のことを計算しキャンバスの下地にはカーマイン(赤)のジェッソが塗布されている。焼却すると絵具の表層が燃え、下地であるカーマインが前面に浮かび上がってくる。そのため、絵画的効果として、燃えているように見えるのである。
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