美術家 新宅睦仁のブログ。ほぼエッセイ、ときどき現代の美術とアート。

願わくば、と願うこと

    2017/08/22

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時間が止まればいいとよく言うけれど、実際時間が止まってしまったら何もできなくなってしまう、と当たり前なことを思う。時間の流れの中でしか歩けないし笑えないし話せないし何も考えられない。だから、よく言う時間が止まればいいってのは、自分だけは動き続けてるけれどみんなは止まっているっていう状態、か、もしくは自分と親しい人の何人かだけが動けて周りの時間は止まっている、というような状態だろう。とか書いていま思ったけど時間が止まればいいなんてよく言うかあ?
熱が冷めない。絵書きつつホームページをいじっていた本日、土曜日。僕は渋谷に向かっている。なんだろう、未だに田舎者というか上京してきた者という感覚が抜けず、渋谷に行く、とかいう事実をだれかに吹聴して回りたいような気分がある。
なんで東京に出てきたんだっけ、なぜに僕はここにいるんだっけ、何をしてるんだっけ、と考えるとよくわからなくなる。人に聞かれりゃ夢がありましてなんて答えるけれど、それもなんだか説得力がなくなってきた。自分自身に対してさえも。
そう考えると今の自分にとってのリアルな答えは、たぶん、「それしかすることがないから」
恋愛と同じで、好きとか嫌いとか言うのは最初の数年の話で、突き出してきた腹に、くたびれてきた顔に、後退する生え際に、霜降る頭に、好きじゃい嫌いじゃい言うのは気持ち悪いことこのうえない。だから、ある程度歳のいった夫婦は自嘲混じりに「仕方ないから一緒に居る」なんて言うんだろう。
仕方ないから絵を描いてる、そう言いきったとしても、そんなに自分の実際を裏切ってはいない気がする。

新宅 睦仁

1982広島県生/2005九州産業大学卒/2013新宿調理師専門学校卒/現代美術家/ロサンゼルス在住のカトリック。牛丼やカップヌードル、コンビニ弁当等、食物をテーマに作品を制作している。無類の居酒屋好き。

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