美術家 新宅睦仁のブログ。ほぼエッセイ、ときどき現代の美術とアート。

願わくば、と願うこと

    2017/08/22

20080517200609.jpg

時間が止まればいいとよく言うけれど、実際時間が止まってしまったら何もできなくなってしまう、と当たり前なことを思う。時間の流れの中でしか歩けないし笑えないし話せないし何も考えられない。だから、よく言う時間が止まればいいってのは、自分だけは動き続けてるけれどみんなは止まっているっていう状態、か、もしくは自分と親しい人の何人かだけが動けて周りの時間は止まっている、というような状態だろう。とか書いていま思ったけど時間が止まればいいなんてよく言うかあ?
熱が冷めない。絵書きつつホームページをいじっていた本日、土曜日。僕は渋谷に向かっている。なんだろう、未だに田舎者というか上京してきた者という感覚が抜けず、渋谷に行く、とかいう事実をだれかに吹聴して回りたいような気分がある。
なんで東京に出てきたんだっけ、なぜに僕はここにいるんだっけ、何をしてるんだっけ、と考えるとよくわからなくなる。人に聞かれりゃ夢がありましてなんて答えるけれど、それもなんだか説得力がなくなってきた。自分自身に対してさえも。
そう考えると今の自分にとってのリアルな答えは、たぶん、「それしかすることがないから」
恋愛と同じで、好きとか嫌いとか言うのは最初の数年の話で、突き出してきた腹に、くたびれてきた顔に、後退する生え際に、霜降る頭に、好きじゃい嫌いじゃい言うのは気持ち悪いことこのうえない。だから、ある程度歳のいった夫婦は自嘲混じりに「仕方ないから一緒に居る」なんて言うんだろう。
仕方ないから絵を描いてる、そう言いきったとしても、そんなに自分の実際を裏切ってはいない気がする。

新宅 睦仁

1982広島県生/2005九州産業大学卒/2013新宿調理師専門学校卒/現代美術家/ロサンゼルス在住のカトリック。牛丼やカップヌードル、コンビニ弁当等、食物をテーマに作品を制作している。無類の居酒屋好き。

こちらの記事もよく読まれています

1さくら水産の品格(ランチ編)

食べ放題は下品である。いや、食べることに限らず、基本的に”際限がない”ということ ...

2美術家になれないあなたは悪くない

最近、SNSで美術大学の是非についての意見が飛び交っている。美大に行く費用を作品 ...

3飽きるとは何か(子供の感性を失った大人の飽きについて)

「悪いな。もう、おまえには飽きたんだ」 昔の安いドラマにあるお決まりのセリフであ ...

4さくら水産の品格(居酒屋編)

大人と呼ばれるようになって十年も経てば、誰しも”酔いどれたい”という日があるもの ...

5作家とギャラリーの取り分について

作家の人たちと話すと、たまにこの話題になる。要するに金の話である。 世の中は、何 ...

  関連記事

警察官は

2008/04/13   エッセイ

自転車に乗るのがうまい About Latest Posts 新宅 睦仁1982 ...

夏と秋のあいだ

2010/09/03   エッセイ

自画像、けっこう真面目に描いたのに、描いてから気付く。鼻が小さすぎる。 僕が生ま ...

個展のお酒なみなみ

2008/08/27   エッセイ

酒が飲める酒が飲める酒が飲めるぞぉ~♪ と、意気揚々と飲み屋に向かうのであった。 ...

豪華客船はナンパ船と呼ばれているという

2012/09/06   エッセイ, ブログ

昨日はこのような船でこのような料理を飲み食いしてきました。 豪華客船というほどで ...

僕という誰か

2008/06/08   エッセイ

母親にメールをしておいた。 僕は秋葉原には居なかったから無事ですよ、と。 すると ...