個展「カップラーメンの滝(仮)」のお知らせ

  2018/07/03

気づけば2014年も終わりである。いわゆる年末である。



ここ数年、なんだか歳ばっかり取っていくような気がしていたが、ようやくで成果らしきものが出せたような気がする1年であった、って、あと2ヶ月もあるが。


さて、表題の件について。私の地道な活動が実ったのか神様の思し召しかどうか、来年2015年9月に、東京の谷中にあるHAGISOにて、個展「カップラーメンの滝(仮)」が開催される運びとなった。


HAGISO


今まで延々と貸ギャラリー他、類似システム(場所代を支払って展示させてもらうということ)での展示・発表を繰り返してきたぼくにとって、とても大きな成果だと思う。


プレゼンのアポを取り、プレゼンに行って、採用される。生まれて初めての一連の流れがとても嬉しい。プレゼンのアポを取り、プレゼンに行って、否定される、という経験ならいくらでもあるのだが。


なにはともあれ、初めての企画展。ぼくの作品やアイデアが認められたんだという承認欲求の充足感とともに、企画展に値するだけのものを見せなければならないというプレッシャーも感じる。


しかし、今のぼくにとっては、そのどちらもがただ甘い。三十路に足を踏み入れても鳴かず飛ばずで、挫折はもちろん、実際に何度も辞めたのだし、それでも今、なんとか続けているという時間と思案と作業量の塊が、そのように感じさせるのだろう。


7、8年前とか、もっと若い頃は、今すぐの結果を、成果を性急に求めてがむしゃらにやっていたけれど、ある程度の歳を重ねた今は、「とにかくは絶対にやめない」ということだけを思ってやっている。


ぼくは、その間、作品の質が顕著に向上したわけでも、それなりのキャリアができたわけでもないのだが、どうして、実に芸術家然としてきたように思える。たとえそれが"自称"芸術家だとしても、である。


閑話休題。


当初、個展名称は「カップヌードルの滝」と考えていたのだが、《 『カップヌードル』は、日清食品ホールディングス株式会社の登録商標である(wikipedia参照) 》とあった。


それで、早速ぼくは日清のお客様窓口に以下の通り問い合わせてみた。


お忙しいところ恐れいります。
私、現代美術家として活動しております新宅睦仁と申します。

このたびは商品名称の使用の可否をお伺いしたく、ご連絡差し上げました。

当方は、ファーストフード等、食品を扱った作品を制作しております。
詳細は下記ホームページをご覧ください。

http://tomonishintaku.com/

来秋、東京にて、「カップヌードルの滝」という名称の個展を開催予定なのですが、この使用方法に問題はありませんでしょうか。
「カップヌードル」という名称は御社の登録商標かと思いますので、ご連絡差し上げた次第です。

なお、特にカップヌードルの販売や、類似商品の販売など、営利目的は一切ありません。
基本的には、カップヌードルをモチーフとした絵画の展示となります。

問題があるのであれば、「カップラーメン」などに名称を変更予定です。

お手数をおかけいたしますが、ご回答のほどよろしくお願いいたします。


で、返ってきたメールは以下の通りと転載したいところなのだが、返信内容の転用二次利用はご遠慮くださいとあったので、以下、要約したものを掲載。


特別な場合以外は一般の方に商標等の使用許可等はしていません。そのため、一般的な名称「カップめん」、「カップラーメン」等を使用してください。

ただし、「カップヌードル」そのものをカップヌードルと表現することは、日清の名誉を侵すものでなければ問題ありません。


だそうである。いまいち不明瞭な物言いなのだが、とにかくは「カップヌードルの滝」はダメだから「カップラーメンの滝」にしてねということなんだろうなと解釈した。が、その返信メールを人に見せたところ、たとえ絵でもカップヌードルをカップヌードルって言ってるだけなんだから問題ないんじゃないの、と言われた。


なるほど。そう言われればそんな気がしなくもない。しかし、どうも判断がつきかねる。どなたか文法や法解釈等に明るい方がいらっしゃればご連絡ください。日清からの返信メールを転送いたしますので、アドバイスいただければ幸いです。


【後記】
来年は個展のほか、大阪もしくは東京にて、気鋭の現代美術作家らと「食」をテーマにしたグループ展も開催予定である。仕事は限りなく適当に、芸術は限界を振り切ってがんばりたい。
新宅 睦仁/シンタクトモニの作家画像

広島→福岡→東京→シンガポール→ロサンゼルス→現在オランダ在住の現代美術家。 美大と調理師専門学校に学んだ経験から食をテーマに作品を制作。無類の居酒屋好き。

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